初めての卒業生を送り出してから3年にもかかわらず、続々と大手自動車メーカーへ「カーデザイナー」「カーモデラー」を輩出しています。
ゼロから学んで夢をかなえた先輩たちの声を紹介します。
トヨタ自動車株式会社 内定
福元 瑞軌
カーデザイン学科
職種:カーモデラー
藤原僕はもともと工業デザイン分野で学校を探していたけれど、調べているうちにHAL のカーデザイン学科を知って、とても興味を持ったんだ。何よりクルマが好きだったしね。この出会いが入学するきっかけになった。
福元僕は子供のときからクルマ好きで、将来はクルマに携わる何らかの仕事がしたかった。機械いじりも好きだったから、最初は自動車整備などの仕事も考えたんだけど、HAL のカーデザイン学科の体験入学でクレイ(工業用粘土)に触れてみて、それがとても面白くて! それでこの分野を学んでみようと思い、入学を決めた。
藤原お互いにクルマが好きだったけど、まったく初めての分野に飛び込んだわけで。入学してからまず身につけないといけないのはデッサンだった。あとは3DCADなどのコンピュータソフトの使い方も。
福元そうそう、僕もデッサンは未経験だったし、最初はまったく形が表現できなかった。でもデッサンができないことには立体が把握できないし、何より早くクレイを触る段階へ行きたいと思って夢中で練習した。実際、デッサンができるようになったら、立体制作に必要な奥行きの感覚も同時に理解できるようになったね。
藤原対象物の形やバランスを捉える目を養うためにはデッサンが一番重要だって習ったよね。コンピュータに関しては慣れるかどうかの問題!(笑)
福元そうだね。HAL にあるAlias Automotive などの最新のソフトでも、慣れたらまったく問題ない。
株式会社本田技術研究所 内定
藤原 悟志
カーデザイン学科4年
職種:カーデザイナー
藤原就職活動のためにも早い段階で作品を仕上げていかないといけない。だからソフトの使い方は早期に身につけようと思って、先輩に聞きながら自主的に練習したよ。教室も開放されているから、十分に自習することもできたし。
福元この分野は、特に自習は重要だと思う。HAL は設備が万全なので、自分がつくりたいと思うモデルにいつでも取り組めて、最後までやり切れる。この環境だから身についたものが多いと思うよ。
藤原学生同士の教え合いも盛んだしね。
福元そうそう、カーデザイン学科は、先輩も後輩もカーデザインスタジオで一緒に勉強する機会があるし、共同作業のときは先輩が後輩を指導する。そこで自分にはない視点に気づかされたり、失敗体験も共有できたり。仲間の結束が固いことは勉強の点でもプラスになる。
藤原担任制の少人数クラスで、とにかく皆、仲がいい。休日には日産自動車など自動車メーカーに就職した先輩も参加してバーベキューをやったりもする。
福元そうだね。アットホームな雰囲気で、プライベートでも仲がいい。先生も休み期間中でも指導に来てくれるし、とてもありがたく思っています。
藤原「スペシャルゼミ」で、世界的なデザイナーのダニエル・サイモンさんが来られたでしょう。
福元サインもらったよ(笑)。
藤原もらってたよなぁ、スマホの裏に(笑)。講演だけでも貴重なのに、1対1 で個人的に講評してくださった。この面はもっと柔らかくするべきだとか具体的なアドバイスを頂いて、最後は世界観が面白いと褒めてくださってね。世界のトップクラスから褒めてもらえたことは少し自信になったかな。
福元僕も横で聞いていて、とても参考になった。自分にも当てはまるような話がたくさんあったし。
藤原「スペシャルゼミ」は大手自動車メーカーのトップデザイナーをはじめ、様々な業界人の特別講義を受けることができる。そこでは社会に出ないと知り得ないことを聞けるから、こういうときはこんな対応をすればいいとか、現場での動き方がイメージできるのがいい。
福元とにかく刺激が多い学校だよね。
藤原コンテスト参加も刺激のひとつだと思う。僕は『カーモデルエキシビジョン』のデザインコンテスト(※1)に初挑戦したときに落選して、その次の機会は何とか入選したけれど、選出作品中最下位だった…。それがとにかく悔しくて!(笑) 今年やっと、1位になってリベンジできた。これも普段の授業や特別講義を受けて、成長できた証拠かな。後輩には「最初はダメでも、あきらめず必ずリベンジしろ」と言いたいね。
※1=「カーモデルエキシビジョン 学生デザインチャレンジ」
カーデザイナーを目指す日本全国の大学・専門学校の学生から応募があるカーデザインのコンテスト。カーデザイナーの登竜門的コンテストとして知られる。
2014年は選出された全8作品のうち、専門学校からはHALのみ4作品が選ばれた。
福元 瑞軌 作品
福元僕はトヨタ自動車のインターンシップに3年の夏と冬に参加したんだけど、そのことが内定につながった。聞いたところによると、人との接し方とかコミュニケーションの部分も評価してくださっていたみたい。
藤原挨拶や「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)」の徹底などは、学校全体で常に取り組んでいることだからね。
福元その点は入学の段階から指導されて、今ではもう習慣になって自然とできている。そういう教育をしてくれて本当に良かったと思うよ。
藤原僕は内定先の本田技術研究所に内定の理由を教えてもらったら、自分の世界観をコンセプト段階から最後まで持っている点と、その世界観を魅力的に見せるスキルがあるということだった。本当に嬉しい評価だった。
藤原 悟志 作品
福元カーデザインはデザイナーとモデラーが協力し合って完成させるもの。デザイナーの世界観、スケッチに込められた真意を理解して、平面のデザインを立体にしていくのが僕たちモデラーの仕事。藤原君の場合、その世界観の元になっているのは何?
藤原スペシャルゼミのときに習ったことだけど、要はどれだけのものを見ているか。自分の中にないものは生まれないから、クルマに限らず、街に出て色々なものを観察して取り入れていくことを大事にしているよ。
福元なるほど。その意味でもHAL のような都心にある学校は有利なんだよね。街そのものが教材になるし、刺激も多い。そういえば僕もクルマに対する見方は変わったなあ。昔はクルマの形ばかりに目が行ったけど、今は線の質とか背景技術なんかが気になってしょうがない。
藤原そして今度は自分たちが見られる側になるね。
福元世の中に自分がモデリングしたクルマが走る。まずはそれが目標。「あのクルマいいねえ」という声を聞く日を目指して、入社後はより一層勉強していきたい。
藤原ハイブリッド車ができ、電気自動車が実用化されるなど、業界は今テクノロジーの転換期にあると思う。そういう時代にあって、業界の新しい標準をつくれるようなデザイナーを目指したい。
福元モデラーとして、よりよい立体を生み出すためにはデザイナーとしっかりコミュニケーションを取っていかなければ。
藤原僕もモデラーの意見は常に聞きたい。実際に造形の感覚はモデラーのほうが発達している。デザイナーとモデラーが議論しながらいいクルマをつくっていくことが大事だと思う。
福元卒業制作はグループワークだし、その練習ができそうだね。
藤原ぜひ、やろう!