映画やテレビ、ゲームなどに関するすべての「音」の演出をするのがサウンドクリエイターです。この記事ではサウンドクリエイターになるためのステップや必要な資格、どのような人が向いているかなどについてまとめました。
サウンドクリエイターを目指したい方、新たにサウンドクリエイターとしてのキャリアをスタートさせたい方はぜひ最後まで目を通してみてください。
サウンドクリエイターとは?
サウンドクリエイターは、その名のとおり「音」を作る人の総称です。映画やドラマ、ゲーム、アニメなどで使われる音楽や効果音などを、DAW(デジタルオーディオワークステーション)と呼ばれるソフトを使って制作します。
サウンドクリエイターの仕事
サウンドクリエイターとしての具体的な仕事内容は、
- 制作
- ミックス
- 音響コントロール
の3つに分けることができます。
制作
映画、ドラマ、CM、ゲームなど、さまざまな映像作品において、音は必要不可欠。これらで流れるBGMや効果音の制作は、サウンドクリエイターがおこなっています。
制作ではまず、クライアントもしくは制作チームのプロデューサーからのヒアリングで、映像に必要なサウンドのイメージや数などといった詳細を明確にします。その後実際にサウンドの制作に取りかかります。
DTMと呼ばれる音楽制作ソフトを使い、打ち込みで作曲をおこなう場合や、リアルな音を追求するため実際に生活音を採取しデータ化する場合など、求められるサウンドに合わせてさまざまな方法を駆使してサウンドメイクをおこないます。
ミックス
ミックスと呼ばれる作業工程では、制作したサウンドトラックの音量バランスと音色を整えていきます。
一般的に、ギター、ベース、ドラムなどのトラックは別々に録音されます。これらのトラックを一つにまとめて、曲の雰囲気に合わせて「ギターの音を前に出す」「スネアの音をシャープにする」などの細かい作業を進めていくのがミックスです。
音響コントロール
制作したサウンドが完成したら、映像作品全体でのサウンドのバランスを整える作業として「音響コントロール」という工程に移ります。
映像作品では、セリフ・効果音・BGMなどいくつものサウンドが重なります。これらのサウンドがすべて100の出力で聞こえていると、大事なシーンのセリフが聞こえなかったり、操作の効果音が聞こえなかったりと十分に作品を楽しむことができません。
音響コントロールでは、そのシーンに適した各サウンドの音響バランスを調整していきます。
サウンドクリエイターが活躍できる分野
サウンドクリエイターは、映像業界の全ての分野で活躍できます。
映画、ドラマ、アニメ、ゲーム、広告、音楽など、映像と音が結びつくありとあらゆる業界にサウンドクリエイターは欠かせません。
サウンドクリエイターのやりがい
サウンドクリエイターは、音を通じて人の心に感動を与える仕事です。
俳優やアーティストのように表立って活躍する仕事ではありませんが、映像と音を結びつけて、見る人の記憶に残るシーンを作るためには欠かせない役割なのです。
作品のクオリティを大きく左右する一つの要因にサウンドクリエイターの仕事があるといっても過言ではないでしょう。
サウンドクリエイターになるためには
サウンドクリエイターになるには、次のようなルートが一般的です。
音楽を学べる専門学校に通う
サウンドクリエイターとしての基礎知識を身につけるべく、音楽系の専門学校や大学・短大に通います。必須である音楽理論や音響技術、DTMのスキルなどを、カリキュラムを通して学んでいきます。
採用試験を受験する
自身が活躍したい業界のサウンドクリエイター採用試験を受けます。この際、面接や音楽知識を問う筆記試験だけでなく、デモテープ審査や時間内にサウンドを制作する実技試験をおこなう企業もあります。
サウンドクリエイターとして働く
採用試験に合格したら、いよいよサウンドクリエイターとして働くことができます。しかし、はじめの数年はアシスタントとして働くケースがほとんど。1人前のサウンドクリエイターとしてプロジェクトを任されるようになるには、最低でも5年以上はかかることが多いようです。
サウンドクリエイターを目指せる学校の種類
サウンドクリエイターとしての基礎知識を身につけることができる学校には、大きく分けて次の3種類があります。
専門(専修)学校
音楽知識に特化した専門学校では、集中的に音楽に関する知識を身につけることができます。将来必ずサウンドクリエイターや音楽関係の仕事に就きたいと決めている人におすすめです。
大学・短大
大学や短大では、音楽に関する知識だけでなく、授業の選び方によってはその他さまざまなことについて学ぶことができます。音楽には興味があるけど卒業後の選択肢は幅広いほうがいい、と考えている人におすすめです。
夜間制の大学
夜間制の大学でもサウンドクリエイターに必要な知識やスキルを身につけることができます。社会人として働きながら知識を身につけたい人や、日中は事情があって動けないという人におすすめです。
サウンドクリエイターに向いている人
コツコツとした作業が得意な人
サウンドメイクをしている間は、パソコンに向かってコツコツと作業をおこなうことになります。集中して作業をするのが得意な人がサウンドクリエイターに向いているといえるでしょう。
創作が好きな人
0から1を創作し、サウンドを通じて人に感動を与えることが好きだという人はサウンドクリエイターに向いています。自身のクリエイティブセンスを思う存分発揮できる場として最適でしょう。
エンタメコンテンツが好きな人
テレビや映画、ゲームなどのエンタメコンテンツを日頃から好んで触れている人は、自分がクリエイター側になったときにそれらの経験が活きてくるでしょう。どのようなサウンドが受け手にとって魅力的だと感じるのか、心に残るサウンドはどのようなものかを自分なりにでも理解していることは、サウンドクリエイターとして重要です。
協調性がある人
サウンドメイクをしている間は自分だけの作業になりますが、それまでの企画会議や打ち合わせ、現場での制作となると多くの人とコミュニケーションを取ることになります。さまざまな角度からのフィードバックや提案をうまく取り入れ、制作物として仕上げるためにはある程度の協調性が必要です。
サウンドクリエイターに関する資格
サウンドクリエイターとして働くうえで必要な資格は特にありませんが、取得しておくことでスキルの証明になり、就職や転職で有利になることがあります。
Pro Tools技術認定試験
JARPS(一般社団法人 日本音楽スタジオ協会)が主催する、音楽制作をおこなうソフト(DAWソフト)のなかでも業界で基準となっているPro Toolsの技術認定試験です。
>Pro Tools技術認定試験について詳しくはこちら
サウンドレコーディング技術認定試験
JARPS(一般社団法人 日本音楽スタジオ協会)が主催する、レコーディング技術や音響理論、著作権などさまざまな知識についての認定試験です。
>サウンドレコーディング技術認定試験について詳しくはこちら
映像音響処理技術者資格認定試験
JPPA(一般社団法人 日本ポストプロダクション協会)が主催する、映像作品に対する音響処理についての認定試験です。
>映像音響処理技術者資格認定試験について詳しくはこちら
サウンドクリエイターを目指すならHALがおすすめ
HALでは、サウンドクリエイターとして活躍するために必要な基礎知識やスキルを、最新のソフトやデスクトップ環境といったプロと同じ環境で学ぶことができます。
現役の業界プロからの指導も受けられる『スペシャルゼミ』といった特別な授業も。
サウンドクリエイターとして一線で活躍するための土台を、4年間でじっくり培っていけるようなカリキュラムになっています。
本気でサウンドクリエイターを目指したい方は、ぜひHALのホームページをご覧ください。電話でのお問い合わせや資料請求、お気軽にお待ちしています。
>お問い合わせ:03-3344-1010
※ 10:00〜20:00(日・祝除く)
まとめ
サウンドクリエイターは、世の中の映像作品と切っても切り離せない重要な役割を担っています。自身のクリエイティビティと、クライアントやプロジェクトの方向性をうまくブレンドしながら、サウンドを聴いた人々の心を揺さぶるようなサウンドを作るには、多くの経験を積む必要があります。
基礎知識を身につけながらも流行や自分の好きなジャンルへのアンテナを張ることを忘れず、第一線で活躍できるサウンドクリエイターを目指していきましょう。