映像クリエイターは、自分の感性を活かしながら作品に関われる仕事です。動画制作や動画編集の仕事に興味があるものの、どの程度の年収が得られるのか気になる方もいるでしょう。
本記事では、雇用形態別の映像クリエイターの年収や、年収を上げる方法を解説します。将来性についても紹介しているため、映像クリエイターに興味がある方はぜひ参考にしてください。
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映像クリエイターとは?
映像クリエイターとは、映像や動画制作に関わるすべての職業の総称です。ここでは、映像クリエイターの仕事内容を紹介します。
映像クリエイターの仕事内容
映像クリエイターの仕事は、主に制作系と技術系に分類できます。それぞれの主な職種と仕事内容は次のとおりです。
分類 | 職種 | 仕事内容 |
---|---|---|
制作系 | プロデューサー | ・企画の立案 ・スケジュール管理 ・資金調達 |
ディレクター | ・スタッフや出演者への指示 ・映像の演出 ・人材の選定・配置 | |
技術系 | カメラマン | 素材の撮影 |
映像編集者 | 映像の編集 | |
CGクリエイター | CGで動画や画像の作成 | |
サウンドクリエイター | 音声の録音や効果音の作成 |
制作系には全体の指揮を取るプロデューサーと、プロデューサーの指示にしたがって動くディレクターがいます。また、それぞれに補佐役としてアシスタントが付きます。
技術系はそれぞれの専門分野に分かれ、専門技術や知識をもとに働く仕事です。
近年ではインターネットやSNSの普及により、制作と技術を兼任するクリエイターも増えています。
映像クリエイターの年収はどのくらい?
映像クリエイターの年収は、雇用形態や働き方によって異なります。ここでは、企業に勤める場合とフリーランスで働く場合の年収を見ていきましょう。
企業に勤める場合
まずは、企業に勤める場合の正社員および派遣・アルバイトの場合の年収を解説します。
正社員の場合
映像編集者と動画制作者を含む、正社員の映像クリエイターの全国平均年収は551.4万円(※1)です。令和5年度の給与所得者全体の平均年収は約460万円(※2)となっており、比較すると約90万円高いことがわかります。
映像クリエイターは、学歴や資格がなくても始められる仕事です。大学や専門学校で専門知識・技術を身につけてから就職する流れが一般的ですが、未経験から入社したり、副業から始めて独立したりする場合でも、実力さえあれば高い年収を目指せます。
(※1)参照:映像編集者・動画制作 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
(※2)参照:令和5年分 民間給与実態統計調査 | 国税庁
派遣・アルバイトの場合
派遣社員の映像クリエイターの平均時給は1,798円、アルバイト・パートの映像クリエイターの平均時給は1,148円です。
令和6年度の全国の最低賃金の平均額は1,055円(※1)のため、映像制作に関わるスキルがあれば、派遣社員やアルバイトでも年収を上げやすいといえます。
平均時給をもとに1日8時間・月20日出勤で計算した場合、派遣社員の年収は約345万円、アルバイトの年収は約220万円です。
(※1)参照:地域別最低賃金の全国一覧 | 厚生労働省
フリーランスで働く場合
フリーランスの映像クリエイターとして働く場合、年収は300〜1,000万円と、技術や能力によって大きく差が出ます。
初心者のうちは実績が少ないうえ、クラウドソーシング(企業や個人がインターネット上で業務を受発注する仕組み)などで安い単価で請け負うことが多いため、年収も上がりにくいでしょう。
一方で、大手企業と組んだり、有名アーティストの仕事を手がけたりすると、1本あたり数百万円規模の仕事を請け負うことも可能です。
映像クリエイターとして年収を上げる方法
映像クリエイターの年収は平均よりも高めですが、やり方によってはさらなる年収アップも可能です。ここでは、映像クリエイターとして年収を上げる方法を紹介します。
スキルを磨く
映像クリエイターの年収は、スキルに大きく左右されます。
制作系であれば企画力やマーケティング力、論理的な思考力などが求められるでしょう。また、豊かな発想力や、チーム・クライアントとのやりとりを円滑にするコミュニケーションスキルも欠かせません。
技術系であれば撮影・編集・音響・デザインなど、専門分野のスキルを身につけるのが近道です。また、さまざまな動画編集ソフトやCG制作ソフトを使いこなす能力も必要になります。
映像クリエイターは実力主義の世界のため、多様なスキルの習得が収入に直結するといえます。
副業する
一定の動画編集スキルがあれば、副業で稼ぐことも可能です。
TikTokやYouTubeなどの人気の高まりにともない、動画作成・編集の需要が増えており、クラウドソーシングでも多くの募集があります。クラウドワークスの相場一覧表によると、YouTube動画作成・編集の相場は8,000円〜/本、TikTok・短尺動画の相場は3,000円〜/本(※)です。
例えば、YouTube動画の作成・編集の副業をすると、1本あたりの納期目安は5日のため、1ヵ月で約6本の動画を作成できます。この場合、月4万8,000円を稼げることになります。
実力さえあれば、より多く、より単価の高い案件を受けることもでき、続けていけば大きな収入源になるでしょう。
(※)参照:クラウドワークス発注相場 | クラウドワークス
キャリアアップを目指す
キャリアアップを目指すことも、年収を上げるためには重要です。
一般的に、現場で作業をおこなう技術系よりも、プロデューサーやディレクターが担う制作系のほうが年収は高めです。制作系ではアシスタントディレクターから始め、ディレクターやプロデューサーになることで年収を上げられます。
技術系ではスキルを積んでいくことで、だんだんと大きな案件に携われるようになるため、年収アップが見込めます。もちろん、一定のスキルを身につけたタイミングで制作系へまわり、キャリアアップを目指すことも可能です。
転職する
正社員の映像クリエイターの全国平均年収である、551.4万円よりも年収が低いようなら、転職するのも方法の一つです。
中小企業でそもそも大きな案件にかかわれない、自分のスキルを活かせていないといった環境であれば、転職での年収アップが期待できます。
独立する
独立すると、会社員時代とは違って利益がすべて収入となるため、年収が上がる可能性があります。
映像クリエイターはスキルがものをいう業界であり、実力さえあれば独立しやすい仕事です。動画制作の需要も多く、クラウドソーシングやフリーランスエージェント(フリーランスの案件獲得や営業活動を代行するサービス)などを利用すると、営業の必要もありません。
独立する場合は一つのスキルにとどまらず、映像編集だけでなく音楽も手がける、自ら撮影もおこなうなど、多様な価値提供ができればさらに稼ぎやすくなるでしょう。
映像クリエイターの将来性
映像制作のニーズは年々高まっており、映像クリエイターの将来性は高いといえます。
2022年の日本のコンテンツ市場では映像系ソフトが約6割を占め、地上テレビ番組の約2割を大きく超えました。YouTubeやSNSで誰もが手軽に発信できるようになったため、動画広告や動画制作の需要は、今後も拡大していくと考えられます。
また、VR(バーチャルリアリティ)や3D動画、AR(拡張現実)といった新技術も次々登場しています。多様な分野に挑戦していくことで、自分の可能性を大きく広げるチャンスを得られるでしょう。
(※)参照:令和6年版 情報通信白書 | 総務省
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