CG/ANIMATION
2024.12.5
憧れのFFシリーズで映像美を担う。挑戦なくして「感動」は生まれない
勝野 椋太
株式会社スクウェア・エニックス キャラクターデザイナー
CG映像学科(現:CG・デザイン・アニメ4年制学科 CG映像コース)/2019年卒業
小学生のころスクウェア・エニックスに入社を決意
小学生のころ、『ファイナルファンタジーXIII』のプレイを始めた瞬間「こんなにきれいなゲームを見たことがない!」とその映像美に魅せられたんです。その時「将来、スクウェア・エニックスのイメージ・スタジオディビジョンで『ファイナルファンタジーXIII』のようなクールなキャラクターをつくる」と決めました。その夢をかなえるために同社への内定実績が豊富なHALに入学。「本気でやるなら」と背中を押してくれた両親も、卒業時には「HALに入れてよかった」と喜んでくれました。
「かわいい」を追究したキャラがヒロイン並みの高評価
入社後は、先輩たちの技術力の高さに圧倒されました。熟練の目利き職人のような腕を持つ彼らには、当然足元にも及ばない。そこで、私にしかできない仕事を探してみると、効率化や自動化といったテクノロジー面で貢献できるのではと。『ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ』のオープニングトレーラーのシーンで町を歩いているキャラクターを効率的に量産することを実践。結果、制作スケジュールを大幅に短縮でき、現在はチーム内でテクニカル面の監修を任されています。『ファイナルファンタジーVII リバース』制作の際、データ容量が膨大すぎてリリースできないという問題が社内で起きたときは、ムービーディレクターに「5日間で解決できます」と直談判。同期と力を合わせ、問題を解決できました。
私のメインミッションである3Dキャラクターづくりにも余念がありません。例えば『ファイナルファンタジーVII リバース』のシスネという女性キャラを担当した際には、ヒロインに匹敵するかわいい女性に仕上げることを目標に制作。美しい巻き髪や映える髪の色、笑顔をかわいく見せる筋肉の付き方まで研究を重ね「かわいい」を360°、隅々まで搭載しました。発売後「私の中でシスネがヒロイン」というコメントを見つけた時の達成感はひとしおでしたね。 そんな成果を出せたのはHAL時代の学びのおかげと考えずにはいられません。デッサンやチームワーク、プログラミングなど多彩なスキルを、手を抜かずに一心に身に着けた当時の私に感謝しています。
クリエイターは生涯、研鑽が宿命
先日、『ファイナルファンタジーVII リバース』の曲が演奏されるコンサートで、目を輝かせて聴き入る大勢のファンの姿を拝見しました。「こんなに愛されている作品なんだ」と改めて実感。決して中途半端なモノをつくってはいけない、と身が引き締まる思いでした。 今後は、コンテンツ全体に目を向け、ビッグプロジェクトのディレクションに挑戦していきたいですね。クリエイターは「挑戦」と同義語だと思うのです。常に研鑽し続けるべき宿命を背負っている。でも努力した分、クリエイティブの幅が広がり新しい挑戦ができ、かつてない感動を届けられる。これこそがクリエイターとしての生きがいだと思います。
勝野 椋太 株式会社スクウェア・エニックス キャラクターデザイナー CG映像学科(現:CG・デザイン・アニメ4年制学科 CG映像コース)/2019年卒業 幼少期にプレイした『ファイナルファンタジーXIII』の美しい映像に魅せられ、同作品の制作に関わることを将来の夢に。HAL在学中は各種学校イベントに貢献し、学主賞を受賞。2019年に卒業後、念願の株式会社スクウェア・エニックスに就職。『ファイナルファンタジーVII リバース』のシスネ、『ファイナルファンタジーVII エバークライシス』のローゼンとラス、『ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ』のアルフィノなどの3Dキャラクターを制作。
株式会社スクウェア・エニックス
代表作『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』『キングダム ハーツ』をはじめ、数々のミリオンセラータイトルを擁し世界中のファンを魅了。数多くのスタークリエイターを輩出し現在もプラットフォームを問わず多数のヒットタイトルを生み出し続けている。