CG/ANIMATION
2024.12.5
「昨日の自分を超える戦い」が人の心をつかむデザインの源泉に
髙木 隆真
ピクシブ株式会社 コミュニケーションデザイナー
グラフィックデザイン学科(現CG・デザイン・アニメ4年制学科 グラフィックデザイン・イラストコース)/2020年卒業
大規模イベントをデザインで演出
コミュニケーションデザイナーの仕事とは、単にデザインだけでなく、ユーザがどう感じどう行動してほしいか、その先のストーリーまで描くことだと思っています。これまでの仕事で印象的だったのは、ピクシブ主催のカンファレンス「PIXIV DEV MEETUP 2024」ですね。アートディレクターとしてLPや会場装飾、販促物など総合デザインに携わらせていただきました。求められるクオリティーの高さにプレッシャーは想像以上でしたが、私がつくったノベルティを手に取りよろこんでいる方々の姿を眼にした瞬間、その苦労はすべて吹き飛びました。 プログラミング言語Rubyに関する国際カンファレンス「RubyKaigi」のアフターイベントとしてピクシブが主催したDJイベント「RubyMusicMixin 2024」も大事な思い出になりました。「制限なく自由にデザインを」というありがたいオファーをいただきましたが、自由を取り違えた独りよがりやエゴの押し付けになっていないかなど、そのせめぎ合いに苦しんだのも事実。でもこれまで積み上げてきた、WEBやフライヤー、動画など媒体を問わない幅広いスキルが随所に生かされ、心からやりたかった「攻めのデザイン」を形にできました。後日、社外からの「絶賛の声」を耳にしたときは感無量でした。
HAL時代にONされた本気スイッチ
現在のステージまで昇って来られたのは、デザインに本気で取り組んできたからこそと自負しています。その始まりは、HALに入学してしばらくのこと。どんどんスキルアップしていくクラスメートたちを横目に私は焦るばかり…。そんな彼らからの刺激がいつしか私の本気スイッチをONしてくれました。とにかくやってみる!インプットを欠かさず!を意識し、卒業後も「自分と戦う」ことを肝に銘じました。デザインは一度、評価されるとそこに甘んじてしまい、毎回同じ、無難なパターンに陥りがち。そこで常に「昨日の自分を超える」が大事だと気づいたのです。「次の作品は過去を超える!」。そんな使命感が私の「本気で挑み続ける」原動力なのかもしれません。
スペシャルゼミがデザイナーとしての道標に
今後は、ピクシブ全体のデザインを牽引していくチーフデザインオフィサーを目指していきます。会社としてエンジニア色が強いピクシブですが、「人の心を揺り動かすデザインのピクシブ」としての魅力も開花させるため、企業ブランディングに力を入れていきたいですね。想えば学生時代に心打たれたスペシャルゼミ講師の方の言葉を、今でも胸の奥に大切にしまっています。それは「世界に良い影響を与えていけるデザイナーになってください」。その言葉を受け「人の心をHAPPYに向けるデザイナーになろう」が夢に。今それが、かなうたびに自信が積み上げられ、私をさらに先のステージへと衝き動かしてくれるのです。
高校時代にデザインに興味を持ち、家業の手伝いでキャンペーンやフライヤー制作などを体験。HAL在学中、カゴメとの学内コンテストや博報堂アイ・スタジオ主催コンテストなどで多数受賞。卒業後、IT企業のインハウスデザイナーとして実績を積んだのち、クリエイターを支援する様々なサービスを提供するピクシブ株式会社に転職。コミュニケーションデザイナーとして活躍中。
ピクシブ株式会社
総登録ユーザー数1億人を超える、イラスト、マンガ、小説作品の投稿プラットフォーム「pixiv」を中心に、クリエイターを支援する様々なサービスを展開。