GAME

2016.2.15

コードを書いてゲームを形にするプログラマー 「良いプログラミング」のカギとなるものは?

  • 佐藤 迅

    株式会社レベルファイブ/プログラマー

    ゲーム制作学科/2013年卒業

脚本や小説を書くように、“見せる”ことを意識したストーリーのあるプログラムを目指す!

2009年に開校したHAL東京の第一期生である佐藤迅さんは、現在福岡に本社を構える株式会社レベルファイブのプログラマーとして働いている。現在は、レベルファイブの最新作の開発に携わっており、ゲームにとって欠かすことができない重要な要素である戦闘全般のプログラムを担当している。

  • 『妖怪ウォッチ3 スキヤキ』© 2016 LEVEL-5 Inc.

プログラマーの役割といえば、とにかくコードを書くことだと想像しがちだが、実はそれよりもゲーム全体の設計を考える作業や、チーム全体で話し合う時間の方が多いのだという。 「プランナーが企画を立て、デザイナーが素材を上げ、僕たちプログラマーがそれを形にする。最後の最後まで責任を持たなくてはならない仕事です。ですから、面白くなるかどうか疑問に感じたら、上がってきた仕様をそのまま実装するだけでなく、ときにはデザイナーやプランナーの要望に対してNOを出すこともあります」。 様々な仕事が絡みあうゲーム制作。だからこそ、他職種との綿密な話し合いは欠かせない。 そんな佐藤さんの経歴は少し変わっている。 早稲田大学第一文学部を卒業後、ゲーム業界への就職を志してHALに入学した。きっかけは就職活動の行き詰まり。大学時代は文学と演劇に明け暮れる毎日だったが、挫折を機にもう一度自分の進むべき道を考えた。「やはりエンターテインメントに関わりたいと思いました。映画業界や出版業界なども考えましたが、世界中の人に楽しんでもらえて、今後さらに伸びる業界としてゲーム業界を選びました」。

入学当初、佐藤さんが想定していたのはプランナーとしての道。 しかし、HALで初めてプログラムを経験し、その面白さにのめり込んでいった。プログラムの魅力について、佐藤さんは「脚本や小説を書く行為に似ている」と話す。 「良いプログラムとは、後から誰かが見ることを想定して見やすく流れを意識して書かれたもの。つまり、ストーリーが大切なんです」。それに気づいたのは、HALで教官に言われた言葉だ。「たとえパワーポイントの資料であっても、人に見せることを意識してつくるべき。それがエンタメのプロだと教えられました。その言葉は今でも生きています」。 演劇青年からゲームプログラマーへ。まったく違う世界に方向転換したかに思える佐藤さんだが、「人に見せるための物語を描く」という考え方は少しもブレていない。

佐藤 迅

株式会社レベルファイブ/プログラマー

ゲーム制作学科/2013年卒業

2009年に早稲田大学第一文学部を卒業後、ゲーム業界への就職を志しHAL東京に入学。2013年に卒業しプログラマーとして株式会社レベルファイブに入社した。現在はレベルファイブ最新作の開発に携わる。

※卒業生会報誌「HALLO」69号(2015年11月発刊)掲載記事

株式会社レベルファイブ

「世界一のエンターテインメントブランド」を目指し、ゲームの企画・制作・販売を手掛ける。福岡に拠点を置き、東京・LAにもオフィスを設立。『妖怪ウォッチ』『イナズマイレブン』『ダンボール戦機』各シリーズなどクロスメディア展開を得意とし、『レイトン教授』シリーズは、全世界で累計出荷1550万本以上を記録するなど、ヒット作を次々に生み出している。