IT/WEB/AI
2016.10.14
ゲーム制作の土台をつくるシステムエンジニア クリエイターたちを身近で支える仕事の醍醐味とは
柏倉 一輝
株式会社グレッゾ/システムエンジニア
マルチメディア学科(現WEB開発学科)/2008年卒業
ゲーム制作といえば、真っ先に思い浮かぶのはプログラマーやデザイナーといった仕事かもしれない。しかし、実はほかにも欠かせない職種がある。クリエイターが開発しやすい環境を整える“縁の下の力持ち”、システムエンジニアだ。現在、株式会社グレッゾでシステムエンジニアとして活躍する柏倉一輝さんは、HALを卒業後、同社の第一期新卒として入社。以降、長い歴史を持つニンテンドー3DSの人気シリーズをはじめ、様々な制作の現場を支えてきた。
新作の制作現場の一番近くで仕事ができるゲーム好きにとっては最高の環境なんです
柏倉さんのゲーム制作現場における主な役割は、プロジェクトのスタート時に行う開発環境のセットアップだ。サーバを立てたり、デザイナーが使用するツールを調整したり、ときには開発に必要な機材を用意・管理する仕事も行っている。「大きな会社ではないので、他の会社のシステムエンジニアよりも雑用が多いかもしれませんね(笑)」と謙遜するが、それでも毎日仕事が楽しいと語る柏倉さん。その理由は、誰よりも新作ゲームに近いところにいられるからだという。「すぐ近くで制作しているわけですから、情報が最初に入ってきますし、意見を言ったり、それを反映してもらうこともあります。ゲーム好きにはたまらない環境ですよ」。 もともとゲームが大好きだったという柏倉さん。大学進学も考えたというが、本当にやりたいのはゲームに関わる仕事だと気づき、HALへの進学を決めた。入学後はたくさんの仲間たちとゲーム制作の基礎を学んだが、そこで大きな壁が立ちはだかった。「ゲーム制作において、僕より優秀なプログラマーが周囲にたくさんいたんです。このままではゲーム業界への就職は厳しいと思い、別の道を模索しました。僕はゲームクリエイターにこだわりたかったわけではなく、とにかくゲーム会社で働きたかったんです」。転機となったのはサーバの授業。「これからのゲーム業界にはサーバの技術者が必要になる」と予測し、システム管理のスペシャリストを目指した。 就職先としてグレッゾを選んだ理由は、「新しい会社だったから」だという。「できたばかりの会社を自分たちで大きくしていくのってゲームみたいで楽しいじゃないですか」。誰よりもゲームを愛する、根っからのゲーマー。それが柏倉さんの揺るぎないアイデンティティだ。
HAL名古屋を卒業後、株式会社グレッゾに入社。クリエイターの作業環境を整えるシステム管理担当としての仕事のほか、自社のオフィシャルサイトの運営や社内システムの構築など、幅広く担っている。
※卒業生会報誌「HALLO」69号(2015年11月発刊)掲載記事
株式会社グレッゾ
『ファイナルファンタジー』シリーズに携わった石井浩一氏により、2006年設立。ゲームソフトの企画・開発を主事業としており、代表的な仕事に、任天堂株式会社『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』のニンテンドー3DS用ソフト開発や、同じくニンテンドー3DS用ソフト『すれちがいガ~デン』の企画・開発などがある。