CG/ANIMATION
2023.11.30
世界が舞台。後世に受け継がれる作品を生み出したい
三好 優太
ライティングアーティスト
CG・デザイン・アニメ4年制学科 CG映像コース卒業/2020年卒業
卒業制作作品が「環境大臣賞」受賞、プロへの自信に
子どものころから映画が好きで、CGアニメをつくりたいと思うようになりHALに入学。HALでは、モデリングやエフェクトなど、CGや映像に関わる様々な職種を経験したのですが、元々写真を趣味にしていた影響からか、光や色をつくることに興味がわき、ライティングアーティストの仕事に就こうと決めました。プロへの道筋が見えた大きなきっかけは、卒業制作・発表展『未来創造展2020』で制作した作品『OASIS』が、国際的な短編映画祭で「環境大臣賞」を受賞したことですね。それで自信がつき「海外で後世に残る映画をつくる」という夢を持ちました。夢というより必ず達成する目標ですね。
ステージを上げてくれたのはトンコハウス『ONI ~ 神々山のおなり』の制作
思い出深い作品は、トンコハウス制作の『ONI ~ 神々山のおなり』です。もともと、トンコハウスの設立者でピクサーのアートディレクターだった堤大介氏の絵が好きで、「いつか一緒に仕事させてください」とメールをしたんです。そこでお返事をいただけ彼が監督する同作の制作パートナーであるMegalis VFXのスタッフとして参加させていただきました。少数精鋭体制だったので、問題が起これば自分で解決を迫られるなど、けっこうなハードワークの連続ではあったものの、完成したときは感極まりましたね。この作品が「アニー賞」で、作品賞とプロダクション・デザイン賞を受賞したので、私にとっても大きな自信になりました。
「海外で映画をつくる」という夢をかなえた
以前から海外で映画制作に関わりたいと考えていて、ちょうど映画『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』を制作するCINESITEのライティングアーティスト募集を見つけ応募しました。見事、面接で合格!カナダのバンクーバーに渡るときは、人生で最大のワクワクが襲ってきました。 色や光で人の感情を揺さぶる絵をつくるのが私の仕事ですが、ハリウッドで求められるのはパーフェクト。たとえば、1シーンで50パターンくらいつくるなど繊細な作業の繰り返しで、粘り強さや諦めない心を手放さないように必死でしたが、HALで幾度もグループワークの大変さを乗り越えてきたからか、最後までやりきることができました。そんな折、オンラインで直に監督のジェフ・ロウ氏から名前を呼ばれ大げさすぎるほどの称賛をいただき胸が震えました。この瞬間、すべての苦労が吹っ飛びましたね。 私は、好きなことにしか一生懸命になれない。だからこそ好きな作品づくりでは妥協せず、とことんこだわりぬきたいと思っています。そんなこだわりが人の心に響き、「面白かった!」と言っていただけることが何よりも幸せですね。
高校卒業後、2年間のアルバイトで学費を貯めHALに入学。2020年にHALを卒業後、大手ゲーム会社に入社。ライティングアーティストとしてゲームCGの制作に携わる。2021年Megalisでトンコハウス配信映画『ONI』を制作。2023年3月からカナダ・バンクーバーに渡り『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』の制作に参加。
卒業制作作品OASIS受賞歴
・米国アカデミー賞公認・国際短編映画祭 『ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2020』「地球を救え!環境大臣賞」 ・『DigiCon6 ASIA』Special Mention賞/JAPAN Next Generation賞 ・卒業制作・発表展『未来創造展2020』4年制部門HAL大賞 ・『ASIAGRAPH2020』動画作品公募部門 最優秀賞 ・『2020アジアデジタルアート大賞展FUKUOKA』学生カテゴリー 動画部門 大賞 ・『第29回CGアニメコンテスト』 優秀賞 ・『第26回学生CGコンテスト』 優秀賞
代表作
◆『ONI ~ 神々山のおなり』 制作:トンコハウス 制作パートナー:Megalis VFX、マーザ・アニメーションプラネット、アニマ ◆『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』 製作: ポイント・グレイ・ピクチャーズ、ニコロデオン・ムービーズ