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・CONCEPT BOARD・MODELING・PREVISUALIZATION・EFFECT
Kick Off
第弐話 大阪魂。
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TEAM OSAKA篇
初めて見る、プロの眼。

名古屋でのオリエンテーションから3週間。
ここHAL大阪では、多くのCGムービーを世に送り出した岩本晶監督が来校し、いよいよ第1回のチェックが始まろうとしていた。

初回チェックの今日まで、大阪チームは状況を共有するために作業開始前と終了前にミーティングを徹底していた。
今日自分が何を作業する予定なのか、そしてどこまでできたかを報告。
「大阪の実力を見せてやろう。」
と連日、プロジェクトルームは熱気で満ちあふれていた。

そんな満を持しての岩本監督による初回チェック。
…早速、詰めの甘さを知ることとなった。
天候・時間帯の設定や3面図(モデルの正面・横・背面を示す図)の準備など、説明に必要な要素が不十分だったため質問に答えられなかった。
中でも指摘が多かったのは、カメラワークについて。
誰の目線か、カメラは空中にあるか地上にあるか、視聴者が理解できるかなど、岩本監督の一言一言がメンバーに突き刺さっていく。

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今までどれほど自己満足だけで制作していたか、プロとの差を思い知らされる時間だった。

意地の張り合いが、称賛を生む。

プロからの洗礼を受けつつも、大阪チームは評価される点も多くあった。
ロボットのカラーリングや関節部分の構造、特に好評だったのは絵コンテや説明資料から読み取ったコンセプトボードだ。

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ミーティングでCMの解釈を納得いくまでぶつけ合い、舞台となる世界観・ロボットの様式美・詳細なビジュアル設計まで、互いの意思統一のためにまとめ上げたオリジナルの資料。

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「初めに設定を明確にすると作品が骨太になる。素晴らしい。」

一同から、この日一番の笑みがこぼれた。

厳しい指摘もあったが、スタートダッシュとしては上々のできを見せた大阪チーム。
目からウロコが落ちるようなプロの直接指導によって、誰もが

「今すぐ制作に取りかかりたい」

とプロジェクトルームの熱はさらに勢いを増していった。


その時、他の2校は・・・
TEAM TOKYO篇
緊張と油断。

張り詰めた空気の中、行われた東京チームの初回チェックはまずまずの評価。
特に世界観の設定は、アートワークを担当した荒井菜摘が、莫大な参考資料と併せてイメージラフを描き起こした背景が高評価を得た。

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初回チェックの今日までメンバー全員が緊張感を持って臨んでいたため、安心した様子で笑みがこぼれる。

しかし各所の詰めの甘さから、チームメンバーの連携がとれていないことを岩本監督に見抜かれ、指摘される場面もしばしば見受けられた。
「作業をもっと共有する場を持とう」
「ひとつ1つに理由を持とう」
各場面において忠告があったが、評価を受けたことに達成感を覚え、この日のチェックはメンバー全員が誇らしさすら感じていた...。


TEAM NAGOYA篇
戻らない3週間。

静まりかえる名古屋チームのメンバー。
何が間違っていたのか。
どこで方向を見失ったのか。
岩本監督の言葉をメモして覚えなければいけないのに、後悔で頭がいっぱいになる。
発表された資料や制作データは正直、途中段階で提出してきた感じが否定できなかった。

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プロの世界でスケジュールに遅れることは絶対に許されない。
それは提出物が何であろうと、チェック時までに全力を尽くすという「契約」なのだ。
授業が忙しかったとは言えない、それは東京や大阪だって同じだ。
この先どう進めていくべきか、どう軌道修正するべきか。
CMは本当にでき上がるのかという不安が、メンバー全員に容赦なく襲いかかっていた…。

Pro's Voice
岩本 晶 最初が一番肝心。方向性が定まらないまま走り出したら、まとまりのないモノが出来上がってしまう。経験があるプロと同じレベルを目指すには、最初から全力で考え抜いて取り組むことが大切。

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