授業
2019.7.17
トヨタのデザイン改革やレクサスブランドの確立の中心として活躍されてきた、トヨタ自動車エグゼクティブアドバイザー・福市得雄氏をお招きし、HAL名古屋・東京・大阪3校で特別講義を開催しました。 トヨタのカーデザインを長らく担ってきた福市氏は、まさに日本を代表するデザイナーの1人。カーデザイン学科にとどまらず、HALでデザイナーを目指す幅広い分野の学生たちが講義を受講しました。 講義のテーマは「デザインには企(わけ)があり、スタイルには意味がある」。 前半は福市氏がデザインのトップとして取り組んできた様々な試みとともに、デザイナーとして大切にしている信念や、経営者やクライアントから信頼を勝ち得るための手法など、ご自身の貴重な経験を惜しみなくお話いただきました。 デザインには期待を超えた「意外性」が重要で、欠点を無くすのではなく、長所を生かすものづくりが必要だというお話が印象的でした。
後半はデザイナーとしての心得について。福市氏がデザイナーとして常に心がけていることを説明いただきました。その一つが「同床異夢」。たとえば「エレガント」「スポーティー」「ハイテク」など、一つの形容詞でも年齢や性別、国籍によってその受け取り方は様々。デザイナーとしてコンセプトを考える際は、ターゲットとするユーザーの気持ちで言葉を選ぶことが大切だと言います。この他にも、プロダクトデザインやグラフィックデザインなど、幅広い分野のデザイン開発に通ずる考えを教わりました。
最後にトヨタのデザイン開発業務や、「モビリティカンパニー」としてトヨタが目指す未来のビジョンについて教えていただきました。 HALの卒業生も多く就職しているということで、学生たちはトヨタが求める人物像についても興味津々。「デザイナーとして優秀だと思う人はどんな人か?」という学生の質問に対しては「様々に考えを巡らせることができ、自分の考えを恐れずに発信できる人」という言葉もあり、学生たちのモチベーションも高まったようです。今回受講した学生たちが、将来、自らのデザインで新しい価値を生み出すデザイナーに成長することを期待しています!