学生の活躍
2019.10.31
一般社団法人電気自動車普及協会(APEV)が主催する、国際的なカーデザインコンテスト『国際学生EVデザインコンテスト2019』において、国内外47チームからHALの学生がファイナリストに選ばれ、見事、世界1位に輝きました! インド、韓国、カナダ、チュニジアなど海外の学生も参加する中、最優秀賞と優秀賞にあたる経済産業大臣賞を獲得し、学生の実力を存分に発揮しました。
「ゼロエミッション EV(排出ゼロの電気自動車)の可能性を最大限に活用した未来のモビリティと社会とのかかわりのデザイン提案」がテーマの本コンテスト。単なるクルマのデザインだけでなく、社会・街・地域の人々・文化等との関わりも含めた環境デザインの提案が求められます。学生たちは事前審査やワークショップを経て、東京モーターショー内で開催された最終プレゼンテーション審査に臨みました。
『国際学生EVデザインコンテスト2019』ファイナリスト一覧
賞 | 学校名 | チーム名 |
最優秀賞 | HAL東京 | APEX |
経済産業大臣賞 | HAL大阪 | T2D |
国土交通大臣賞 | 産業技術大学院大学 | AIIT TOKYO |
カーデザインアカデミー賞 | 千葉工業大学 | HyKs |
トゥルーズ賞 | Car Design Academy(チュニジア) | Jimaxon |
ベネッセ賞 | 国立仁川大学(韓国) | ID-WORKS |
CCCマーケティング賞 | 東京工科大学 | Kurage |
National Institute of Design(インド) | Team ONE | |
首都大学東京 | WAVE | |
University of Waterloo(カナダ) | Tomoki Kaneko |
今回のコンテストでは、海外や日本の学生が多数参加する中で、HALの学生の実力を試す良い機会になっただけでなく、国際交流の場として海外の学生の感性を知ることができ、カーデザイナーを目指す学生たちにとって貴重な学びの場となりました。
カーデザイン学科 譚 振輝、柚垣 至、菊田 宣親、黒澤 昂輝、タナチャーナン パリーナー 作品名:「COCOON」 作品紹介:世界中の教育を受けられない子どもたちのための「動くEVの学校」。複数のディスプレイを展開するボディ部分と、スクールバスとして機能するベース部分で構成され、自動運転で子どもたちのいる場所に出向き、授業を開講する。「5G通信技術」によって、世界各国の先生たちの質の高い授業がリアルタイムで受講可能。社会基盤ともいえる教育を世界中に行き渡らせ、後発発展途上国を、再生可能エネルギーを主軸とした環境先進国へ発展させ、人々の豊かな生活の実現に貢献する。
受賞コメント: チームメンバーだけでなく、アドバイスをいただいた先生方にも深く感謝したいです。それぞれが自発的に、楽しく取り組んだ結果がこういう形で実って嬉しく思います。EVの時代に移っていく中で、モビリティを通した体験やデザインに新しい可能性を感じています。ユーザーとしてもクリエイターとしても、将来が楽しみです。 講評/審査委員長 中村 史郎氏: 多くの審査員から非常に高く評価された作品です。「教育」という重要な課題を、グローバルな視点やSDGs(持続可能な開発目標)という視点も絡めて考えられていて、課題への取り組み方が大きく評価されました。非常に難しい大きな課題から「未来をつくっていく」という姿勢で若い皆さんが提案されたことを高く評価したいと思います。
カーデザイン学科 小國 裕磨、弘津 悠耶 作品名:「SAICA」 作品紹介:レンタサイクリストを安全に先導し、楽しいサイクリングを演出するモビリティを提案。地域おこしの拡大と健康意識の高まりから、地域観光をレンタサイクルで楽しむ人が増えることに注目。SAICAと付属のドローンにカメラ・レーダー・GPS・AIを搭載しており、時間・天候などを考慮したルート設定や、骨伝導インカムによる走行中の会話、バイタルセンシングバンドによる体調・ペース管理等が可能に。クリーンなモビリティ社会と、新しい観光のあり方を実現する。
受賞コメント: 審査員の方々をはじめ、ワークショップでアドバイスをくださった講師の方々、HALの学生や先生方、この作品をつくる上で関わっていただいた方々に感謝いたします。このような賞をいただけて非常に嬉しく思います。 講評/経済産業省 製造産業局 参事官 吉村 直泰氏: とにかく、審査員の評価が高い作品でした。街の中、地域の中に溶け込むデザインの美しさやプレゼンテーションが非常に素晴らしかったと思います。これからインバウンド約4千万人という時代が来る中で、観光産業は自動車産業に並ぶような産業になっていきます。こういったモビリティが実際に登場してくれて、さらにドローンやVR、ARとつながって世界に日本の風景を発信してもらうことで、より日本の観光の付加価値も上がると思い、選ばせていただきました。
2013年より、東京モーターショーの開催に合わせて「国際学生EV超小型モビリティデザインコンテスト」を実施。2017年から対象を「EV全般」へ変更し、次世代を担う若者の育成を主目的とし、デザインの持つ創造力・企画力を遺憾なく発揮する事により、モビリティ社会の将来のあり方や環境への新しい取り組みを世界に向けて発信している。 審査委員:中村史郎氏(デザインコンサルタント&CEO (株) SHIRO NAKAMURA DESIGN ASSOCIATES)、安藤忠雄氏(建築家、東京大学名誉教授)、奥山清行氏(工業デザイナー、株式会社KEN OKUYAMA DESIGN 代表)、長屋明浩氏(ヤマハ発動機(株) 執行役員 デザイン本部 本部長)、ジャン・ファン氏(広州自動車グループデザイン担当副社長)、田嶋信博氏(一般社団法人電気自動車普及協会 代表理事)